死亡事例もある便秘の危険性、あなたは大丈夫?
記事の監修
- 公立大学法人 福岡女子大学国際文理学部 食・健康学科
石川 洋哉教授
研究者 詳細情報 - 株式会社Kan-Z 代表取締役管理栄養士
大山 加奈恵
株式会社Kan-Z 公式HP
普段から便秘がちな人にとって便秘が長く続くと心配になりますよね。稀なことですが、ひどい便秘によって時には死亡するような危険な状況になることもあります。この記事では、便秘になったときに具体的にどんな状態が続くと危険なのか?さらにその見分け方などを解説したいと思います。
- 目次 -
- 死亡事例もある便秘の危険性
- 何日続くと危険?病院に行くべき?
- あなたは大丈夫?便秘の危険度チェック(日数以外の話)
- お腹の張り具合の話
- 腹痛の話等
- 便秘にならないための予防・解消法
- まとめ
死亡事例もある便秘の危険性
最近では、便秘が命に関わることもある病気だということが判明しています。便秘によって心臓の病気や、脳血管の病気になるリスクが高くなることも分かっています。また、4日に1回しか便が出ない人は、1日に1回便が出る人よりも、狭心症や心筋梗塞で死亡する危険度が1.45倍であり、脳卒中で死亡する危険度が2.19倍もあります。
便秘によって最悪死亡することもあると言われると、日頃から便秘がちな人にとってはとても心配になりますよね。たとえば、どれくらいの便秘になると危険な状態なのでしょうか?通常は3~4日以上排便がない場合に便秘といわれますが、人によって違いがありますから、数日間排便がなかったとしても全く不快感のない人もいますが、そんなケースでは便秘とはいえないでしょう。
逆に、毎日のように便が出たとしても、その便が少量しかなくてスッキリとしない状態が続いたとしたら、それは便秘ということになります。こうしたことから、何日間排便がないから危険な状態だとはいいきれない部分もあります。つまり、その人が危険な便秘なのかどうかは、個人差がありますから、何日間便秘が続いたら危険だというめやすはありません。
ただ、病院へ行かなければならない危険な状態もありますから、どんな状態になったら危険なのかを知っておく必要があるでしょう。それでは、どんな状態になったら危険な便秘なのかを紹介します。
危険な便秘とは、便が腸に溜まっていて、大腸閉塞や糞便塞栓などになりかねない状態のことです。たとえば、大腸閉塞の場合、便が大腸の中を完全に通ることができない状態になっていることをいいます。
糞便塞栓とは硬い便が腸粘膜の血管やリンパを圧迫し、腸粘膜が傷ついたり炎症が起きてしまうことをいいます。そんな大腸閉塞や糞便塞栓をそのままにしておくことで、敗血症、腸穿孔、腹膜炎といった死亡することもある病気に発展してしまいます。
何日続くと危険?病院に行くべき?
前述したように、便秘には人それぞれあって、何日以上続いたら危険な状態なのかははっきりとはいえません。それでは、危険な便秘とは具体的にどんな状態をいうのでしょうか?危険な便秘とは、排便の間隔が不規則になり、さらに刺激性の便秘薬や浣腸を何度か使用しても便が出ない状態になっている便秘のことをいいます。
ですから、もしそのような状態になっているとしたら、危険な便秘になっていることも考えられますから、すぐにでも医療機関に相談したほうがいいでしょう。
あなたは大丈夫?便秘の危険度チェック(日数以外の話)
それでは、あなたの便秘は大丈夫なのか?便秘の危険度チェックを行いましょう。
- 3~4日間排便がない
- 下剤を使わないと軟便にならない
- おなかが痛くなったり、不快になることが多い
- 便に血がまじることがある
- 排便時にいきみがある
- 排便のあとに残便感がある
- お腹に詰まった感じがある
- 便がでなくて指でかき出すことがある
- 便が出ないために座薬や浣腸を使うことがある
以上のようなことが当てはまる場合、医師の診断を受けるようにしましょう。
お腹の張り具合の話
便秘の時に、お腹が張って苦しいことがありますが、便秘が続くことで腸内の悪玉菌が増加しますから、便が腐敗してガスになります。ガスが腸内にたまると、お腹が張って苦しくなることがあります。
もし、そんなお腹の張った状態が続いたときには、医師に相談したほうがいいでしょう。
腹痛の話等
便秘が長く続くと便が腐敗してガスが腸内にたまりますが、その場合お腹が張るだけでなく、お腹が痛くなることもあります。急な腹痛だけでなく、日頃から腹痛がある人がその痛みを放置することはとても危険です。腹痛には、大腸がん、胃がん、潰瘍性大腸炎といった重大な病気が潜んでいる場合があるからです。
便秘にならないための予防・解消法
便秘にならないためには、予防や解消法が重要になります。便秘にならないための食生活では、まず食物繊維を積極的に摂ることです。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、不溶性の食物には穀物、豆類、イモ類、野菜などがあります。これらは、腸を刺激し、排便の量を増加させる効果があります。
水溶性の食物には、海藻、こんにゃく、果物などがあり、水に溶けて便を柔らかくしてくれる作用がありますから、便秘の人は意識して摂ることです。また、ヨーグルトや乳酸菌飲料を定期的に摂ることや、キムチや納豆などの発酵食品を摂ることで、腸内環境を良くすることができます。
便を柔らかくするためには、日頃から水分補給をしっかり行い、腸にほどよい刺激を与えることで排便をしやすくさせます。また、体を動かすことで腸の働きを活発にさせますから、ウォーキングなど軽い運動でもよいですから、適度な運動を心がけましょう。
もし体を動かすことができない方は、お腹をやさしくマッサージしたり、お腹を温めることで腸の働きを促すことができます。
便秘解消にオススメの食べ物や解消法を別の記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
便秘解消にオススメの食べ物!まずは食生活を見直しましょう
便秘の解消法!原因に応じて徹底解説
まとめ
今回は便秘について色々と解説してきましたがいかがでしたでしょうか?便秘は場合によっては命に関わるほど危険です。実際に死亡事例も存在します! 日ごろから食事などで予防&解消していきましょう!便秘の予防には、食事や運動も効果的ですが、特に食物繊維の摂取するために、気軽に食べられる『ごぼう茶』や『菊芋チップス』も便秘の予防にはとても効果的です!
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