菊芋の効果効能から食べ方まで徹底解説

菊芋の食べ方

記事の監修

菊芋は、最近注目を集めている健康食品です。体にいいことはわかっているけれど、どのような効果があるのか、詳しく知らないという人は多いのではないでしょうか。

豊富な栄養素を含んでいる菊芋は、糖尿病対策やダイエットに効果的です。

そんなスーパーフードである菊芋の基本情報、成分や効果効能。そして、おいしい食べ方や選び方、保存、栽培の方法などを詳しくお伝えします。

- 目次 -

  • 菊芋の基本情報
  • 菊芋の成分や効果効能
    • 1. イヌリンで整腸作用と糖尿病対策
    • 2. カリウムで塩分調整
    • 3. 低糖質、低カロリーでダイエットにも
  • 菊芋の食べ方
  • 菊芋のレシピ
    • 1. 和風、洋風のスープ類
    • 2. シャキシャキなツナサラダ
  • 選び方・保存方法
    • 1. 菊芋の選び方
    • 2. 菊芋の保存方法
  • 菊芋の栽培方法
    • 植え付け
    • 管理方法
    • 収穫
  • まとめ

菊芋の基本情報

菊芋とは、北アメリカ原産のキク科ヒマワリ属の多年草です。別名アメリカイモ、ブタイモ、サンチョーク、エルサレムアーティチョーク、トピナンブールとも呼ばれています。

世界中に外来種として広まっており、日本には江戸時代の終わりに伝わったと言われています。
家畜の飼料用として使われていましたが、戦後は食糧難により、人間も代用食として食べていたようです。

たくさんの食べ物であふれるようになると、影をひそめてしまった菊芋。しかし、現在では高い栄養成分が見直されて、健康食品として注目されるようになりました。

菊芋の成分や効果効能

1. イヌリンで整腸作用と糖尿病対策

菊芋の主成分である「イヌリン」は水溶性の食物繊維の一種です。イヌリンはビフィズス菌のエサとなり、ビフィズス菌が増えると腸内環境を整えます。その結果腸の運動を促し、便秘解消にもつながります。

また、イヌリンにはインスリンの分泌を促す効果があるため、「天然のインスリン」とも言われています。
糖や脂肪の吸収を抑制し、血糖値の上昇をゆるやかにすることから、糖尿病に対する効果が期待できます。

2. カリウムで塩分調整

菊芋には「カリウム」も多く含まれています。カリウムはミネラルの一種で、人間には欠かせない栄養素のひとつです。

カリウムには塩分を排出する作用があるため、体内の塩分過多が原因で上がる血圧を、下げてくれる効果があります。
また、むくみ解消や、筋肉の痙攣の予防なども期待できます。

3. 低糖質、低カロリーでダイエットにも

菊芋はキク科の野菜のため、「芋」と言ってもサツマイモやジャガイモとは違い、ほとんどでんぷんを含んでいません。
そのため、その他の芋類と比べると糖質量が少なく、カロリーも低いという特徴があります。
カロリーを気にせず摂取することができるため、ダイエットの強い味方と言えます。

菊芋の効果効能についてはこちらの記事で詳しく解説しているのでぜひ読んでみてください。
菊芋(キクイモ)の効果・効能!「最強の繊維」だと人気の理由は?

菊芋の食べ方

菊芋は、その他の芋類のように火を通す調理はもちろん、クセがないため、生のままでもおいしく食べることが可能です。

火を通すとホクホクとした食感となりますが、生のまま食べると、シャキシャキとしています。調理次第で色々な食感の菊芋を楽しむことができます。

菊芋の皮はとても薄く、新鮮であればあるほど柔らかいです。そのため、皮の処理は土が残っているところなど、気になる部分だけを取り除くだけで十分です。
菊芋の皮には多くの食物繊維や、ポリフェノールが含まれているので、できれば皮を残しておこなう調理がオススメです。

菊芋のレシピ

煮ても焼いても、生でもおいしく食べることができる菊芋。
オススメの料理法をいくつかご紹介します。

1. 和風、洋風のスープ類

菊芋を和食の定番である味噌汁の具材として使うと、手軽に菊芋を取り入れた料理の完成です。菊芋の里芋のようなホクホクとした食感は、ホッとして、やすらぎを与えてくれます。

また、洋風にポタージュにしてもおいしくいただけます。
バターで炒めた菊芋と玉ねぎを牛乳や豆乳と一緒にミキサーで混ぜ合わせて、塩コショウとコンソメで味付けます。
菊芋のほんのりとした甘さがとてもやさしい味わいのスープです。

2. シャキシャキなツナサラダ

生の菊芋のシャキシャキ感を楽しみたい場合は、サラダがオススメです。
細切りにした菊芋と油を切ったツナをマヨネーズで和え、塩コショウで味をととのえたら完成です。
細切りにしたキュウリや人参を追加すると、彩りがきれいに仕上がります。

選び方・保存方法

選び方・保存方法

一般的な食料品店で菊芋に出会う機会はなかなか少ないですが、菊芋を店頭で購入する時には、いくつかポイントがあります。

大きく丸いもの
大きく育っている菊芋ほど、栄養価を多く含んでいます。

硬く引き締まったもの
収穫から時間が経つと乾燥が進み、柔らかくなるため、硬く引き締まった菊芋ほど新鮮です。

新鮮で、栄養価の高い菊芋を手に入れるには、大きく、硬いものを選ぶことが重要です。

菊芋の保存方法

菊芋を短期間保存する場合は、新聞紙に包み、ビニール袋に入れて、冷暗所か冷蔵庫で保存します。水洗いをすると日持ちが悪くなるため、できれば土がついている状態での保存が望ましいです。
菊芋は乾燥に弱く、カビが生えやすいため、冷蔵庫での保存は1週間が目安です。

長期保存する場合は、プランターなどを使って土に埋めます。
しかし、夏を超えると発芽してしまうため、夏以降も保存する場合は皮を剥いて冷凍保存する必要があります。
冷凍後は食感が変わるため、生食には不向きとなりますが、煮物などには利用できます。

菊芋を乾燥させて保存する方法もあります。
薄くスライスした菊芋を一度水にさらして、ザルなどに一枚ずつ並べて1日~2日間天日干しをします。
完全に乾燥した菊芋は密閉容器などに入れて、冷暗所で保存します。
乾燥した菊芋は、そのままでも食べられますが、煮出してお茶にしたり、水に戻して柔らかくしてから色々な料理に使うことができます。

長期保存や乾燥保存をする場合は、手間がかかるうえ、注意点も多くあるため、気をつける必要があります。

菊芋の栽培方法

菊芋は環境が整えば、家庭菜園の初心者でも栽培することは可能です。

植え付け

菊芋を育てるには、プランターなどの鉢か、庭や畑に直接植える方法があります。
どちらに植える場合も、水はけがよく、日当たりの良い場所を選びましょう。

植え付け時期は暖地なら2月下旬から4月中旬頃、寒冷地は4月中旬から6月中旬となります。複数の苗を植える場合は、20㎝から30㎝離して植え付けてください。

管理方法

菊芋はとても強い性質のため、基本的には水やりや肥料は必要ありませんが、大きく育てたい場合は、鶏糞などを追肥します。

8月頃には1mを超えるほど成長するため、台風によって倒れることが心配な場合は、支柱を立てて紐で結びつけると安心です。

収穫

葉や茎が枯れてくる11月頃から3月まで収穫ができます。
菊芋は常温での保存が難しいため、土の中で保存しながら、食べる分だけ収穫します。

小さい菊芋は翌年の種芋として利用できます。

まとめ

菊芋に含まれる、イヌリンなどの高い栄養価や効果は、糖尿病や高血圧が気になる方には強い味方となり、まさにスーパーフードと言っても過言ではないと思います。

しかし、菊芋そのものを手に入れることが難しかったり、保存にも気を使います。
自家栽培も可能ですが、住環境などで、なかなかハードルが高い方も多いのではないでしょうか。

健康のために菊芋を手軽に取り入れたいのならば、加工品がオススメです。栄養価はそのままに、調理の手間もなく、保存も楽です。

加工品が売っている販売店が近くになくても、最近ではインターネットで簡単に手に入れることが可能です。

加工品を上手に利用して、手軽に菊芋を日常の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。髙上商店おすすめの菊芋チップス

〈参考文献〉

フジ日本精糖株式会社 イヌリンの効果
https://www.fnsugar.co.jp/inulin/cunsumer/effect#:~:text=%E3%82%A4%E3%83%8C%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%81%AF%E9%A3%9F%E5%BE%8C%E3%81%AE%E8%A1%80%E7%B3%96,%E3%82%8B%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

日本成人病予防協会 カリウム ~体に必要な「ミネラル」ってなんだろう??~
https://www.japa.org/tips/kkj_0802/

JA長野県 菊芋●太陽の根が土の中でこのイモになった
https://www.iijan.or.jp/oishii/products/vegetable/post-664.php

GreenSnap 菊芋(キクイモ)の育て方|収穫の時期は?どんな栄養がある?
https://greensnap.jp/article/9157

旬の食材百科 菊芋(キクイモ・きくいも)の旬の時期と特徴
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/kikuimo.html