便秘の解消法!原因に応じて徹底解説

記事の監修

便秘が慢性的に続くと辛いものです。どうにかして解消したいですが、原因が分からないと難しいですよね。

海外の研究で、便秘がある人や便秘薬を使用する人はそうでない人に比べて、死亡率が高くなると報告されています。脳卒中や心筋梗塞など血管の病気で死亡するリスクが高くなることも明らかになってきました。

便秘は生活習慣や食生活の見直し、マッサージなどの方法で解消することが出来ます。便秘は体質だからと諦めずに治療を続けていきましょう。
今回は便秘を解消するための生活習慣や食生活、マッサージについて、原因と共に紹介します!

- 目次 -

  • 便秘を解消する方法
    • おへそ周りを「の」の字を書くように優しくマッサージ
    • ごろごろと寝返りをして腸をマッサージ
  • 便秘を解消する生活習慣
    • 水は起床時にまずコップ1杯、1日を通してこまめな水分補給をしましょう
    • 便意を我慢しないこと
    • ストレスをためこまずに、適度な運動を続けましょう
  • 便秘を解消する食事
    • 朝食から始めて、1日3食しっかり食べる
    • 食物繊維を積極的に摂る
    • 発酵食品で腸内環境を整える
  • 便秘のメカニズム・原因
  • まとめ

便秘を解消する方法

簡単なマッサージを2つ紹介します。

おへそ周りを「の」の字を書くように優しくマッサージ

おへそを中心に、「の」の字を書くように時計回りに優しく押さえながらマッサージをします。強く押す必要はありません。10回程度を目安にして、立ったまま、もしくはトイレに座っている時に行ないます。温かい湯船の中でリラックスして行なうのもよいですね。

腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下していると、慢性的な便秘につながります。腸の流れに沿ってマッサージをすることで、直腸まで便が動きやすくなり、自然な排便を促す効果が期待できます。

ごろごろと寝返りをして腸をマッサージ

広いところにうつ伏せになり、左右に5回程度ごろごろと寝返りを打ちます。腹部に適度な負荷がかかり、腸をマッサージすることができます。「の」の字マッサージと合わせて続けましょう。

便秘を解消する生活習慣

水は起床時にまずコップ1杯、1日を通してこまめな水分補給をしましょう

朝起きた時に、まずコップ1杯(200mL程度)の水を飲みます。常温の水か、白湯でもよいでしょう。朝の水分不足を補い、腸を刺激する効果があります。その後もこまめな水分補給で1日1.5L程度の水を飲みましょう。便が硬いことも便秘の原因として挙げられます。水分が不足すると、腸内で便の水分が吸収されて便が硬くなってしまいます。

便意を我慢しないこと

タイミングや状況によって、すぐにトイレに行けないこともありますよね。便意を我慢することが癖になっていると、直腸の神経が鈍くなってさらに便秘になりやすいです。間隔が空くことで便が硬くなるため、無理に我慢をしないことが重要になります。

理想のリズムは毎日朝食後に排便があることです。朝食をしっかり食べて、便意がなくても必ず毎朝トイレに座る習慣をつけることもおすすめです。

ストレスをためこまずに、適度な運動を続けましょう

運動不足による筋力低下も、便秘の原因になります。軽めのウォーキングやストレッチから適度な運動を始めてみましょう。仰向けに寝た状態でおへそをのぞき込むように上体を起こすだけでも、腹筋を鍛えるのに効果的です。

また、便秘と自律神経には密接な関係があります。食べ物を消化する活動は、身体がリラックスした副交感神経が優位な時に活発になります。身体がストレスを感じていると、交感神経が優位になり消化が抑制されて便秘になりやすいです。腸管の緊張による痙攣(けいれん)性便秘とも呼ばれます。過敏性腸症候群という、便秘と下痢を繰り返す症状が出ることもあります。

ストレスの原因となるものを取り除けることが一番ですが、上手なストレス解消法も取り入れていきたいですね。

便秘を解消する食事

朝食から始めて、1日3食しっかり食べる

食事量が少ないと腸内を便が移動するのに時間がかかり、水分が吸収されすぎて硬い便になります。逆に食べ過ぎや油の摂り過ぎは、食べ物が腸内を急に移動するため水様性の下痢になりやすいです。自分の体格に合った量のバランスのよい食事が大切です。

食物繊維を積極的に摂る

食物繊維には水に溶けるかどうかの違いで、水溶性と不溶性の2種類があります。不溶性食物繊維は水分を吸収して膨張する、水溶性食物繊維は腸内で水分を取り込んだゲル状になり便を柔らかくするという特徴があります。

食物繊維がよいからと便秘の時に不溶性食物繊維を大量に摂り過ぎると、かえってガスが溜まってお腹が張ることがあります。水溶性食物繊維が多い、ワカメや昆布などの海藻類や果物、納豆や長芋、オクラなどネバネバした食材を選びましょう。

  • 不溶性食物繊維が多い食品
    →さつまいも、おから、筍、穀類など
  • 水溶性食物繊維が多い食品
    →海藻類、バナナなどの果物、納豆やオクラなど

食物繊維の効果的な取り方についてはこちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
食物繊維の効果的な取り方|おすすめの食べ物もご紹介

発酵食品で腸内環境を整える

腸内フローラ(細菌叢)と呼ばれる腸内環境のバランスが崩れていると、便秘を起こしやすいです。腸内の善玉菌を増やすために、発酵食品を積極的に摂りましょう。
例)納豆、ヨーグルト、乳酸菌飲料、味噌、キムチ、ぬか漬けなど

食物繊維を合わせて摂ることで善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えやすくなります。規則正しい食生活と、ストレスコントロールも大切です。

便秘のメカニズム・原因

便秘の原因と解消法について、まとめていきます。

  • 腸の運動や筋力の低下
    →マッサージや運動を行なう
  • 摂取する水分量の不足
    →起床時を含めたこまめな水分補給
  • 食物繊維の少ない食事、腸内環境の悪化
    →野菜や果物、乳酸菌や発酵食品を積極的に食べる
  • 偏食やダイエットによる、極端に少ない食事
    →1日3食しっかり食べる
  • ストレスによる腸の痙攣
    →ストレスの原因への対処や、ストレス解消の工夫をする

※その他に、便秘の陰に病気が隠れていることもあります。

  • 消化器系の疾患により、腸が閉塞(狭くなる)や閉塞(塞がっている)している
  • 糖尿病や甲状腺機能低下症など内科系の疾患
  • 自律神経失調症や脊椎損傷、パーキンソン病など神経系の疾患

おならが出ない、強い腹痛や吐き気をともなう、お腹の張りが強いなどの症状が長く続く場合は要注意です。医療機関を受診して医師の指示に従いましょう。便秘の危険性についてこちらの記事で詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
死亡事例もある便秘の危険性、あなたは大丈夫?

まとめ

便秘の原因は様々で、人によって異なります。自分に合った方法で解消していきましょう。

特に普段からの習慣や食生活が重要になります。こまめな水分補給、適度な運動を心がけましょう。水溶性食物繊維が多い「ごぼう茶」を日常生活に取り入れて、継続することもおすすめです。便秘薬に頼り過ぎずに、自然な排便を促していけるとよいですね。

〈参考文献〉

便秘と死亡リスクの関係
https://pmc.carenet.com/?pmid=30658186