コーヒーで血糖値を下げよう!糖尿病予防に効果的
「コーヒーを飲むことで血糖値を下げることが出来る」という話は、誰もが聞いたことがありますよね。
実際にコーヒーは血糖値を下げるという点で、糖尿病の予防にも効果的です。
今回はその理由や、飲み方などを紹介していきます。
- 目次 -
- コーヒーは血糖値を下げるという噂は本当!
- コーヒーが血糖値を下げ糖尿病を予防する理由
- カフェインの効果
- ポリフェノールの効果
- コーヒーが血糖値を下げ糖尿病を予防する理由
- カフェインの効果
- ポリフェノールの効果
- 血糖値のコントロールに効果的な飲み方
- コーヒーはブラックで
- 1日に2-3杯程度を食後に(薬の内服がある場合は要注意)
- インスタント、ドリップコーヒーの違い
- 血糖値のコントロールに効果的な飲み方
- 心疾患や脳卒中、呼吸器疾患による死亡率の低下
- リラックス効果
- まとめ
コーヒーは血糖値を下げるという噂は本当!
コーヒーを飲むことで糖尿病を発症するリスクが下がるという研究が世界各国で報告されています。大規模な追跡調査の結果、1日3~4杯のコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて糖尿病を発症するリスクが低下していたということです。
コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールに、体にとって良い効果があると考えられています。
コーヒーが血糖値を下げ糖尿病を予防する理由
カフェインの効果
コーヒーに含まれるカフェインには、交感神経を刺激する作用があり、飲んだ直後には一時的に血圧や血糖値が上昇します。しかし、日常的にコーヒーを飲むことが体脂肪の燃焼を促す効果があるといわれています。体脂肪がインスリンの働きを妨げること(インスリン抵抗性)を防ぐ=糖尿病の発症を予防できると考えられます。
ポリフェノールの効果
赤ワインを日常的に飲んでいるフランス人は、油の多い料理を食べているにも関わらず心疾患による死亡率が低いことが知られています。種類は異なりますがコーヒーにも赤ワインに匹敵するくらいポリフェノールが多く含まれているのです。
<ポリフェノールの種類>
- 赤ワイン:アントシアニン、タンニン、リスベラトロール
- コーヒー:クロロゲン酸類
- 緑茶:カテキン
- ココア:カカオポリフェノール
ポリフェノールは抗酸化作用が高く、活性酸素による酸化を防いでくれます。また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、膵臓の細胞の働きを高め、糖尿病を予防する可能性があるといわれています。
世界各国で進められている研究の結果
日本の「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの報告
2009年に国立国際医療研究センターから「コーヒーのストレス緩和効果が糖尿病発症のリスクを低下させる」という研究結果が発表されました。
ここでは40〜60歳の日本人男女、約5万6,000人を10年追跡調査しています。男女どちらにおいても、コーヒーを飲む人はほとんど飲まない人に比べて糖尿病を発症するリスクが低下していました。コーヒーが体にとってのストレスを緩和するためと考察されています。
糖尿病を発症するリスク(コーヒーを1日3~4杯飲む場合)
- 男性 →17%低下
- 女性 →38%低下
スウェーデンの研究機関による報告
2018年には、スウェーデンでも「コーヒーを飲むと糖尿病を予防できる可能性がある」という研究報告がありました。
この研究では、過去の研究論文を解析することでコーヒーと糖尿病発症率の関係を調べています。30本の論文から約118万人を対象に調査した結果、糖尿病と診断されたのは約5万3千人(4.5%)でした。コーヒーを日常的に飲む群と全く飲まない群で比較したところ、糖尿病を発症するリスクは、コーヒーを多く飲む人ほど低下していました。
糖尿病を発症するリスク(コーヒーを1日3~4杯飲む場合)
- コーヒーを多く飲む群を飲まない群と比較
→29%低下 - コーヒーを飲む量を比較
1日あたり1杯多いごとに→6%低下
この傾向はカフェインの有無に関わらず同等であったとのことです。コーヒーの持つ抗酸化作用、抗炎症作用、体熱産生作用、腸内細菌叢の多様性変化によって、糖尿病を罹患するリスクが減るのではないかと考察されています。
血糖値のコントロールに効果的な飲み方
コーヒーはブラックで
ブラックのコーヒーを選びましょう。砂糖入りのコーヒーは血糖値が急激に上がりやすいです。ミルクを入れたい場合は、コーヒーフレッシュは油脂でできているため避けましょう。少量の牛乳であれば追加しても大きく問題はありません。
1日に2-3杯程度を食後に(薬の内服がある場合は要注意)
コーヒーは1日に2~3杯を目安として食後に飲みましょう。
コーヒーに含まれるカフェインは大量に摂取しすぎると、不眠症や神経症、高血圧や不整脈につながることがあります。カフェインの摂取量は1日400mg程度までとカナダ保健省(HC)は提唱しています。
食事の前後に内服薬がある場合は、コーヒーに含まれるカフェインによって薬の効果が薄れたり、効きすぎたりすることがあります。内服のあるタイミングではカフェインレスのコーヒーにしても良いですね。薬とコーヒーの飲み合わせが気になる時は、かかりつけ薬局の薬剤師に相談してみましょう。
インスタント、ドリップコーヒーの違い
インスタントコーヒーとドリップコーヒーではどちらが良いのでしょうか。
基本的な成分は同じです。カフェインの量はインスタントコーヒーとドリップコーヒーでほとんど違いはありません。
ただしポリフェノールのクロロゲン酸は、ドリップコーヒーの方が多く含まれています。インスタントコーヒーの製造工程で加熱処理によって多少失われるためです。コーヒーのクロロゲン酸は生豆の状態に多く、焙煎するほど減少するため、深煎りよりも浅煎りの方が多く含まれます。
インスタントコーヒーとドリップコーヒーのどちらでも、封を開けたら香りや風味が失われないうちに飲むことをおすすめします。
コーヒーは健康にメリットたくさん
心疾患や脳卒中、呼吸器疾患による死亡率の低下
コーヒーに含まれるポリフェノール「クロロゲン酸」は、体内で代謝されてフェルラ酸という成分になります。フェルラ酸は血小板が固まるのを防ぐことで血液をサラサラにするため、脳梗塞や心筋梗塞の発症を防ぐ効果があると考えられています。血糖値だけでなく、血圧を調整する効果や抗炎症作用があるといわれています。
またコーヒーを飲むことで呼吸器疾患による死亡リスクも低下するという報告があることから、カフェインの気管支拡張作用に呼吸器機能の改善効果があるのではないかと考えられています。
リラックス効果
コーヒーの香りでほっとした経験がありませんか。おいしいコーヒーを飲んでリラックスする時間を作ることで、ストレスを軽減する効果もあります。
ストレスは万病の元といわれる通り、心身ともに大敵です。便秘や下痢の原因になったり、免疫低下により感染症を引き起こしたりすることもあります。ストレスによる睡眠不足や暴飲暴食により、生活習慣病につながることも少なくありません。ストレスを発散する方法の一つとしても効果的です。
まとめ
コーヒーが血糖値を下げ、糖尿病を予防するという噂は本当です。
実際に世界各国の論文でも、そのような研究報告がでているようです。コーヒーには血糖値の改善以外にも、健康に良い様々な効果があるので、飲み方に注意しながら生活に取り入れていきましょう。
コーヒーに含まれない水溶性食物繊維を手軽に取り入れたい時には、ごぼう茶がおすすめです。血糖値のコントロールだけでなく、便秘や下痢にも効果が期待できます。自分に合った飲み物を選んで、続けられると良いですね。
〈参考文献〉
精神的要因、コーヒーと糖尿病との関連について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/352.html
Coffee consumption and reduced risk of developing type 2 diabetes: a systematic review with meta-analysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29590460/
コーヒーと健康
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health/89health
コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3527.html
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