糖尿病でもお菓子は食べられる?注意点と条件も解説

記事の監修

あなたは3食の食事とは別の間食として、「おやつ」を日常的に食べていますか?
糖尿病では血糖コントロールのために、お菓子は我慢しましょうと言われることが多いです。しかしどうしても食べたくなったり、お茶会など食べなくてはいけない状況になったりすることもありますよね。日常生活の中でお菓子を全く食べないということは難しいです。

それでは、糖尿病の方はどんな時もお菓子は我慢するべきなのでしょうか?結論として、糖尿病の方でもおやつを食べることは出来ます。しかし条件や注意点があり「何を食べるか、どのくらい食べるか」が重要です。

今回は糖尿病の方が食べてもいい具体的なおやつの量や選び方について、紹介します。

- 目次 -

  • 糖尿病の方はおやつを食べてもいいの?
  • 食べてもいいおやつ
    • ナッツ類
    • ハイカカオチョコレート
  • 甘いものはどれくらいなら食べていいのか?
  • 市販品でのオススメ
  • まとめ

糖尿病の方はおやつを食べてもいいの?

糖尿病または糖尿病予備軍だと診断された方や、その家族の方は、
「糖尿病と言われたら、もう甘いものは食べられないのか?」
「糖尿病でも間食に食べてもいいものがないのかな?」
このように考えたことがあるでしょうか。結論から言うと、糖尿病でもおやつは食べられます。

ただ「糖尿病食事療法のための食品交換表」には、このように記載されています。

「嗜好飲料(果汁ジュース、炭酸飲料など)、アイスクリーム、ジャム、煮豆、菓子パン、菓子類。これらの食品は砂糖を多く含みますので血糖値や血液中の中性脂肪が高くなりやすいなど、糖尿病の治療上好ましくありません。できるだけ飲食しないよう心がけるべきです」
(日本糖尿病学会 編・著「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」)

糖尿病の治療は、適切な血糖コントロールによって合併症を予防するために行ないます。糖尿病とは血糖値を下げるホルモン「インスリン」の量や働きが不足している状態です。そのため糖質の多いおやつは急激に血糖値を上昇させ、さらに糖尿病がある場合は高血糖の状態が長く続きやすいために注意が必要と言われているのです。

「やはりおやつは食べてはいけないのか…」と思うところですが、そうでもありません。血糖値に影響を与えにくいものを選び、食べてもよい量や、自身の血糖コントロール状況について知っておくことが大切です。

食べてもいいおやつ

おやつを選ぶ時に気になるのはカロリー量ですが、糖尿病の方がまず注目するべきは「糖質量」です。目安として糖質10g以下であれば、血糖値への影響を過剰に心配することはありません。具体的にはせんべい1枚10g、クッキー1枚10g程度。米や小麦粉から作られているものは、少量でも糖質が多くなります。
「たったそれだけ…?」と思われたあなたは、糖質が少ないナッツ類やハイカカオチョコレートを選んでみましょう。

ナッツ類

ナッツ類は他の食品と比較しても糖質が少なく、噛み応えがあり少量でも満腹感が得られます。ただしナッツ類は「糖尿病のための食品交換表」でサラダ油や豚バラ肉と同じく脂質が多い食品に分類されます。つまり少量でも高カロリー。ナッツ類には多価不飽和脂肪酸という油が多く含まれ動脈硬化の予防効果が期待されますが、食べ過ぎには注意が必要です。

1回の量としては80kcalを目安に、無塩タイプがオススメです。具体的な量はアーモンドなら15粒、ピーナッツなら12粒程度です。片手に収まる量と考えましょう。

ハイカカオチョコレート

ハイカカオチョコレートとは、カカオ成分が70%以上のチョコレートです。カカオのポリフェノールは抗酸化作用が高く、動脈硬化や歯周病を予防して糖尿病の合併症を予防することにもつながります。1回につきハイカカオチョコレート1片5gを、おやつや食前に取り入れてもよいでしょう。

お菓子以外にも糖尿病でも食べていいものをこちらの記事で紹介しているのでぜひご覧ください。
糖尿病でも食べてもいいもの!食材の選び方や調理法のポイント

甘いものはどれくらいなら食べていいのか?

甘いものには砂糖などの糖質が多く含まれ、食べるとすぐにブドウ糖として吸収されるため血糖値の上昇に大きく影響します。さらに、糖質に加えてバターや生クリームなど脂肪分も多く含まれていると、急激に血糖値が上昇するだけでなく、時間が経っても血糖値が下がりにくくなる傾向があると言われています。

それでは、例えばどうしてもケーキが食べたい時、どのくらいなら食べていいのか?糖質量に注目して、ケーキの種類ごとにカロリー量を比較してみましょう。
(カットケーキは18cm型8等分の場合)

ケーキの種類カロリー糖質タンパク質脂質
チョコケーキ438 kcal35.8 g5.8 g30.1 g
モンブラン425 kcal51.3 g2.5 g22.1 g
ショートケーキ308 kcal41.5 g6.8 g12.4 g
スフレチーズケーキ252 kcal15.5 g6.9 g17.6 g
ロールケーキ251 kcal18.6 g5.0. g17.1 g
シュークリーム155 kcal18.5 g18.5 g7.0 g

比較すると、カロリーが多い中でもチョコケーキは特に脂質が多く、栗を使ったモンブランは特に糖質が多いことが分かります。できるだけ糖質が少ないものを選んで1回量は半分を目安にしましょう。複数人でシェアして調整が可能な、ロールケーキやプチシュークリームを選んでも良いですね。

市販品でのオススメ

ここ数年で「カロリーコントロール」「低糖質」と名前がついた商品が様々なメーカーから発売され、スーパーやコンビニでも手軽に買えるようになりました。クッキーやチョコレートなど種類が豊富で、少量で満足できるように味も工夫されたものばかりです。
夏になると食べたくなるアイスも、1個80kcalで糖質コントロールされたものが売られていますので探してみてください。

その他市販のお菓子やスイーツでは、糖質10g以下のものを選ぶか、1個を複数回に分けて食べましょう。食べる時間帯は夜間(特に夕食後)を避けることで、一度上昇した血糖値が就寝中も高いまま維持されることを防ぐことができます。

「たくさん食べた後なのに小腹が空いた」という時は、急激に血糖値が上昇した後に今度は血糖値が低下して、身体が何か食べなければとサインを出していることが考えられます。ここでケーキなど糖質の多いものを食べると、再度血糖値が急上昇する「血糖スパイク」という状態になり、血管にダメージを与えてしまいます。

そこで日常生活に取り入れるものとしては「菊芋チップス」がオススメです。低糖質かつ食物繊維が多いため、よく噛んで食べることで満腹感が得られます。便秘や下痢への対策としても、効果が期待できるでしょう。髙上商店おすすめの菊芋チップス

まとめ

糖尿病のときもお菓子を食べることはできます。しかし重要なのはお菓子の種類と量、そして自身の状態です。定期的に診察を受けて血糖コントロールと食生活を振り返りましょう。今回紹介した菊芋チップスのように、少量で満腹感の得られるものを選んで日常生活に取り入れることで、無理なく食事療法を続けていきましょう。

おやつの選び方を知ることで、一日の中でホッと一息つける時間や、友人や家族と楽しく過ごす時間も、季節の移り変わりとともに楽しみたいですね。

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〈参考文献〉

日本糖尿病学会編・著 糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版
カロリーSlism